価値観の特定とは ディマティーニ博士のメソッドで自分の軸を言語化する LIFE MANDALA

価値観の特定とは|ディマティーニ博士のメソッドで"自分の軸"を言語化する

「自分の価値観を特定しましょう」と言われても、何から手をつければいいか分からない——そう感じたことはありませんか。

価値観の特定がうまくいかないのは、多くの場合「方法」がずれているからです。愛・自由・成長といった抽象的な言葉を頭でひねり出そうとすると、それが本当に自分の価値観なのか、社会的に良いとされる答えを言っているだけなのか、自分でも確信が持てません。

人間行動学のディマティーニ博士が示したのは、まったく逆のアプローチでした。あなたが目指す不確かで抽象的なものではなく、"あなたが実際にやっている行動"という事実を見る——。この記事では、その考え方をもとに、自分の価値観を再現性のある形で特定し、自分の言葉で言語化していく手順をお伝えします。

この記事で分かること

  • 価値観の特定とは何か
  • なぜ「好きなこと」や性格診断では特定できないのか
  • ディマティーニ博士のメソッドが"行動"を見る理由(再現性・嘘がない)
  • 13の問いで価値観を言語化する手順
  • 特定した価値観を、人生の意思決定にどう使うか

価値観の特定とは

価値観の特定とは、行動の事実から自分が本当に大切にしている優先順位を見つけ出し、自分の言葉で言語化することです。

ここでいう価値観は、あなたにしかない独自・固有の"価値の優先順位"を指します。それを「なんとなく分かっている」状態から、「一言で言える」状態にまで引き上げるのが、価値観の特定です。

なぜ「価値観の特定」が必要なのか

価値観があいまいなままだと、人生の選択のたびに迷いが生まれます。特に、実現したいことが大きく、時間軸が長くなるほど、「何のためにやっているんだっけ?」という迷いに入りやすくなります。

価値観を特定して言語化しておくと、それが意思決定の基準になります。長期的な選択や、困難・時間のかかることに直面しても、「これは自分の価値観に合っている」と踏みとどまり、選び続けられる。価値観は、あなたという存在の羅針盤です。

今回は個人の価値観について記事をまとめますが、会社にも価値観があり、個人と同じように意思決定の基準になっていることは、周知の事実でしょう。

一般的な「価値観の見つけ方」との違い

インターネットで「価値観の見つけ方」を調べると、たくさんの情報が出てきます。その多くは、「好きなこと」や、愛・自由といった言葉を価値観として定義しています。

けれど、ここに落とし穴があります。

  • 好きなこと ≠ 価値観:好き嫌いは気分や状況で変わりやすく、本人の「好き」に依存した特定は、ぶれやすいのが特徴です。これらは、行動に一貫して表れる価値観と異なります。
  • 抽象語は客観的につかめない:「愛が大事」「誠実さが大事」と言うことはできても、それを示してくれと言われると難しいはずです。「愛」や「誠実さ」は行為の中で表現され、主観的に感じるものです。多くの場合、道徳的な規範を指していることも多く、個人の中にある固有の価値体系とは異なっています。
  • 性格診断とも違う:性格診断はタイプを分類しますが、価値観の特定は行動の事実から個人の中にある固有の価値の優先順位を見つけるものです。

価値観とは何かをもう少し丁寧に知りたい方は、姉妹記事「価値観とは何か|行動に表れる"本当の優先順位"の見つけ方」もあわせてご覧ください。

ディマティーニ博士のメソッドは"行動"を見る

LIFE MANDALAでは、人間行動学の世界的権威であるディマティーニ博士のValue Determination(価値観の特定)プロセスをもとに、価値観を客観的に観察します。

このメソッドの特徴は、抽象的な言葉を扱わないことです。「愛とは何か」を考えるのではなく、「あなたが愛を大切にしているなら、それはどんな行動に表れていますか?」と問う。つまり、繰り返される行動・集中力が高まる行動・自然にエネルギーが高まる行動に目を向けます。

なぜ行動を見るのか。行動は物理的な運動として客観的に確認できるため、再現性が高く、嘘がないからです。頭で考えた"正解"や、こうありたいという"理想"はいくらでも取り繕えますが、実際にどこに時間・エネルギー・お金を使っているかは、ごまかせません。だからこそ、社会的な期待や"こうあるべき"という思い込みを取り除いて、本来の価値観に近づけます。

価値観を観察し、言語化する流れ

具体的には、13の問いを使って次のように進めます。

  1. 13の問いに答える:「どこに時間を使っているか」「何にお金を使っているか」「自然と考えてしまうことは何か」など、複数の角度から自分の行動の事実を棚卸しします。1つの問いに3つずつ答えを出していくのが基本です。(5つの場合もあります)
  2. 共通パターンを見つける:出てきた答えを眺めると、あちこちに繰り返し現れる共通のパターンがあります。同類のもの、類似するものを分けて、グループ別に個数を数えます。
  3. 優先順位をつける:グループに分類した個数が多いものから、順位をつけます。個数で順位をつけた後に、「比べたらこちらが優先される」というものがないか、順位をあらためて精査します。
  4. 自分の言葉で言語化する:上位に来た価値観を、自分の言葉で言語化します。

LIFE MANDALAでは、動画講義で「価値観を客観的に観察することの重要性」と「自分の言葉で言語化する手法」を中心に扱います。さらに踏み込んで上位3つ(ご希望があれば5つ)の価値観を特定したい場合は、1対1のパーソナルセッションで深めていきます。

まず手法を体系的に学びたい方は、第3章の動画講義「いのちを動かすエンジン|自分の価値観を知る」で、13の問いを使った観察と言語化のプロセスを学べます。

特定した価値観を、人生の曼荼羅®に統合する

価値観の特定は、それ自体がゴールではありません。LIFE MANDALAでは、特定した価値観を人生の設計に統合するところまでを大切にします。ここが、価値観ワーク単体で終わらない、LIFE MANDALA独自のアプローチです。

具体的には、特定した価値観を人生の曼荼羅®(LIFE MANDALAが開発した、価値観を中心に人生全体を8領域で可視化するセルフコーチングのフレームワーク)の中心に据えます。健康・仕事・お金・人とのつながりといった人生の各領域を、その価値観を軸に配置し直していく。すると、バラバラに見えていた選択や行動が、ひとつの優先順位でつながり始めます。

これは言い換えると、自分の人生に内在する「秩序」や「構造」を理解していくプロセスです。価値観という一点が定まることで、なぜこの選択に違和感があったのか、どの領域に力を注げばいいのかが、構造として見えてきます。

この、価値観を軸に思考・感情・行動を整え、人生を主体的に設計し続ける力を、セルフマスタリーと呼びます。その実践がマンダラコーチング®です。

よくある誤解

  • 一度特定すれば終わり…価値観は人生の段階で変化します。節目ごとに見直すものです。
  • 正しい答えがある…正解・不正解はありません。自分の行動の事実にもとづいて認識しているものを書き出すのが大切です。
  • 抽象的な言葉のままでよい…「愛」「自由」のままでは行動に落ちません。自分の言葉で具体化することで、はじめて意思決定に使えます。

まとめ

価値観の特定とは、行動の事実から自分の優先順位を見つけ、自分の言葉で言語化すること。鍵は、抽象的な言葉を頭でひねり出すのではなく、"実際にやっている行動"を客観的に見ることです。だからこそ再現性が高く、嘘がない。まずは「自分はどこに時間とエネルギーを注いでいるか」を棚卸しするところから始めてみてください。

よくある質問

Q. 価値観の特定とは何ですか?
価値観の特定とは、行動の事実から自分が本当に大切にしている優先順位を見つけ出し、自分の言葉で言語化することです。

Q. ディマティーニ博士のメソッドの特徴は何ですか?
抽象的な言葉ではなく、"行動"を見る点です。実際にどこに時間・エネルギー・お金を使っているかは客観的に確認でき、再現性が高く嘘がないため、思い込みではない価値観を特定できます。

Q. 「好きなこと」では価値観を特定できないのですか?
好きなことが価値観であるケースもありますが、好きなことが価値観とは言えません。行動に一貫して表れる価値観は、好き嫌いを超えて自分を動かしていることがあります。行動の事実を見ることが必要です。

Q. 価値観は1つに絞らないといけませんか?
いいえ。最上位の価値観を最高価値(Highest Value)と呼びますが、人生に影響を与えるのは上位3つと言われています。上位3つの価値観を言語化できれば十分です。LIFE MANDALAの1対1のパーソナルセッションでは、上位3つ(ご希望があれば5つ)まで特定し、人生設計に活かしていきます。

Q. 特定した価値観はどう使いますか?
人生の意思決定の基準として使います。健康・仕事・家族・お金などの選択を、特定した価値観を軸に整えることで、納得して選べるようになります。また応用では、コミュニケーションや人間関係、人材育成、マネジメントに応用可能です。また、卓越した技術の習得、高い目標の達成のためにも応用できます。

価値観の特定をはじめる最初の一歩に

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コラムニスト

北原万紀

北原万紀(LIFE MANDALA代表)

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