疎外感を感じるあなたへ|モヤモヤの正体と向き合い「自分らしさ」を取り戻した体験

疎外感を感じるあなたへ|モヤモヤの正体と向き合い「自分らしさ」を取り戻した体験

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松田真由|心を整え、人生に意味を見出す専門家
自己理解カウンセラー/ディマティーニ・メソッド公認ファシリテーター

「どこか集団の中で居場所がない感じがする」「人といると自分だけが浮いている気がする」

そんなふうに、周囲との距離感に悩んだ経験はありませんか?その感覚は、あなたに何か問題があるわけではなく、繊細に物事を感じ取る特性から生まれているのかもしれません。私自身、長年そんな疎外感を抱えていた一人でした。

繊細な心が感じる疎外感の正体とは?

内面と向き合う時間を持つことで、自分らしさを取り戻す女性のイメージ

人といるときに感じる違和感や居心地の悪さ。それは、あなたに何か欠けているわけではなく、むしろ繊細に感じ取る力を持っているからかもしれません。私自身の経験から、その感覚の正体について考えてみたいと思います。

比較と自己否定が"居場所のなさ"を育てていた

私自身、以前はいつも集団の中で「浮いている」と感じていました。学校でも、職場でも、どこか居心地が悪く感じる。まわりが特定のグループをつくって話しているのを見て、「私の居場所じゃないな」「私は必要とされてないな…」とすら思っていました。

1対1では話せるけれど、3人以上になると急に話せなくなってしまう。「人見知りじゃなかったらよかったのに…」そう思いながら、自分よりもあとから入ってきた後輩たちが職場の人たちに馴染んでいる姿を見ては焦ったり、落ち込んだりしていました。気づけば、「どうして私はみんなのように接することができないんだろう」という自己否定のループにハマっていたのです。

その感覚は、あなたの"繊細な心"が発していたサイン

でも今は、あの違和感は心の奥にある"本当の声"だったのだと思っています。「こうしなきゃいけない」「こうあるべき」と社会に合わせて無理をしていた私に、心が「それはちょっと違うよ」と教えてくれていたのかもしれません。疎外感や生きづらさは、私たちを責めるためにあるのではなく、自分自身と深くつながるための入り口なのだと、今では思うのです。

モヤモヤの正体と向き合った転機

導かれるように出会った一冊の本のイメージ

仕事や育児に追われながら、どこかモヤモヤを抱えたまま、ただ日々をやり過ごしていた私。当時はSNSもない時代。自分が繊細気質だということも知らず、自分の悩みさえも気づいていませんでした。そんなある日、まるで導かれるように出会った一冊の本がありました。

夫へのモヤモヤが、思いがけず言語化された瞬間

15年以上前のある日、なんとなくAmazonで本のランキングを見ていたとき、目に飛び込んできた一冊がありました。それが『鏡の法則』という本でした。レビューには「涙が止まらなかった」「読んでよかった!」などの言葉が並んでいて、なぜか惹かれるように、その本の詳細を調べたのを覚えています。

「相手は自分の内面を映す鏡である」──そんなメッセージが込められた本でしたが、当時の私はその意味がよくわからず、ただ、あらすじで「いじめにあっている息子のことで悩む母親が、意外な方法で問題を解決した」という展開に興味を持ち、読んでみようと思ったのです。

本の冒頭から、主人公と重なる部分が多く、私は強く感情移入しながら物語に引き込まれていきました。特に、主人公が相談をした相手から「息子さんがいじめられているということは、あなたが誰かを責めていませんか?」と問われ、ご主人を責めていたことに気づく場面に差しかかったとき、私はまるで自分の心の中を言語化してもらっているような感覚になりました。

実際、当時の私も夫に対して責める気持ちや、見下すような感情を抱いていたのです。「夫は私の気持ちをわかってくれない」「子どもに関心を向けてくれない」と思っていたし、伝えても何も変わらないことにもどかしさを感じていたのです。

「父との関係」に気づいたとき、子供の頃の本音が見えてきた

その後、物語が"父親との関係"に触れる場面に差しかかったとき、私の中で何かが大きく動きました。まるで、自分の奥にあった記憶が言葉にされていくような感覚でした。

  • 子供の頃、父は私の話を聞くよりも、テレビやゲームを優先していたこと
  • 話に入ってきたと思ったら否定をしたこと
  • いとこと父が楽しそうに話している姿を見て「男の子の方がよかったのかも」と感じたこと

そんな記憶が心のどこかに残っていたのです。いつしか「もしかすると私はいない方がよかったのかも」と思うようになっていたのです。けれど、その本を読みながら、怒りや寂しさがあふれ出てきたのです。そして、その感情に気づいて涙が流れる中、ふと浮かんできたのは、まったく別の記憶でした──

「私はちゃんと愛されてたんだ」と気づいた日

 過去の記憶のイメージ

忘れていた記憶が戻ってきたのは、感情に気づけたから

怒りや寂しさをしっかり感じきったあと、不意に、まるで心の奥底から掘り起こされるように、忘れていた記憶が浮かんできました。

  • 子供の頃、父が「ゲームやる?」と声をかけてくれたこと。
  • 出かけて車で寝てしまった私を、そっとベッドに運んでくれたこと。
  • 日曜参観や運動会に来てくれていたこと。
  • 高校のとき、駅まで車で送り届けてくれていたこと。

どれも、当たり前すぎて記憶にすら残っていなかった場面。けれど、確かにそこには「私を大事にしてくれていた姿」があったのです。

愛されていなかったのではなく、"愛のかたち"に気づけなかっただけ

私が「関心を持ってもらえなかった」と感じていたのは、父が示していた愛情が、私が"こうあってほしい"と思っていたかたちと違っていただけだったのです。当時はその違いに気づけなかったし、受け取り方すらわからなかった。でも記憶が蘇ったことで、「私を大事にしてくれていたんだ」と、素直に思えたのです。

「私はちゃんと愛されてた」「私、生まれてきてよかったんだ」そんな気づきが、私の中に静かに、でも確かに広がっていきました。この体験が、私が長年感じていた疎外感の根っこにある誤解を解いてくれたのです。

疎外感を感じなくなった理由は「私」が変わったから

認識が変わると、周りの見え方も変わる

父に対して抱いていた感情に気づき、それが思い込みだったとわかったとき、私の心は満たされてあたたかい涙が止まりませんでした。しばらく泣き続け、顔を上げると、部屋がいつもよりも明るく感じました。疎外感が消え、「今ここに私がいる」という確かな感覚を得ることができていたのです。

その翌日、職場に入った瞬間──そこにいた人たちは何も変わっていないのに、私の"感じ方"だけがまったく違っていたのです。

「私、ここにいていいんだ」と、初めて自然に思えた瞬間でした。

「私は私でいい」と思えたとき、疎外感が消えていった

それ以降、私は「誰かと比較をすること」がほとんどなくなりました。特定のグループに無理に入ろうとしなくても、「みんなと調和している感覚」を得ることができ、自然体でいられるようになったのです。「こんな私と関わりたいと思ってないかも…」と自分を下げていたのは、「私はいない方がいい存在だ」という自分が作りだした認識によるものだったのです。

疎外感は、自分らしさに気づくための入り口

今振り返ると、私が抱えてきた疎外感は、どれも「自分らしさ」に気づくための大切なサインだったと感じます。気づけば、それらはすべて私を本来の「自分らしさ」へと導く道しるべとなっていたのです。

数年後、ある上司から「まゆちゃんは"自分は自分"っていう軸を持ってるからすごくいいと思う。うまくやってると思うよ」と言っていただいて、私もそんな自分のことが好きでいられていることにも気づいたのです。

さらに今では、ディマティーニ・メソッドという"認識の変容"を促す科学的なプログラムを学び、「すべては愛である」ということを、より知識や体感としても腑に落とすようになりました。

「変わりたい」と思ったその瞬間から、人生は動き出す

 未来を前向きに見つめる女性の後ろ姿

しんどいと思った"今"こそが、変化のスタート地点

「このままじゃつらい」 「なんとかしたい」そう思ったときこそが、変化の入り口です。私自身も、最初は"なんとなく"しんどかっただけで、「これが人生を変えるきっかけになる」なんて、まったく思っていませんでした。

でも、「もうこのままではいたくない」と心の中で思った瞬間から、少しずつ、でも確かに人生は動き始めていたのです。

自分を知ることが、疎外感から解放される鍵

どんな悩みも、どんな疎外感も、あなたを"本当のあなた"に近づけるための道しるべ。そうやって、自分の気持ちに正直になれるようになると、人生の軸は自然と整っていきます。そしてその軸があるからこそ、他人と比べなくても、自分のペースで、穏やかに進んでいけるようになるのです。

まとめ|疎外感からの解放は"本当の自分"との出会いから始まる

人間関係の中で疎外感を感じたり、生きづらさを感じたりするのは、決してあなたが弱いからではありません。それはむしろ、あなたの感性がとても繊細で、丁寧に生きようとしている証です。今、あなたが感じているその違和感は、間違いなく“本当のあなた”へつながる扉です。どうか、自分の感受性を否定せず、そっと寄り添ってあげてくださいね。

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松田真由|心を整え、人生に意味を見出す専門家
自己理解カウンセラー/ディマティーニ・メソッド公認ファシリテーター

幼い頃から相手の気持ちに敏感で、自分自身の感情や欲求がわからない—— そんなHSP気質ゆえの生きづらさを長年抱えてきました。自己理解と人間関係の葛藤に悩みながら「自分はなぜ生きているのか?」という問いを探求する中で、 ディマティーニ・メソッドと出会い、人生に確かな意味と手応えを感じられるように。 現在は心理カウンセラー/ディマティーニ・メソッドファシリテーターとして、自己理解を深めたい方や、 職場・家庭での人間関係に悩む方を対象に、問題の本質にアプローチしながら「自分らしく生きる力」を引き出すサポートを行っています。 心の仕組みを丁寧にひも解きながら、変化を恐れずに前進したい方に寄り添います。

公式ウェブサイト:

https://counseling-room-mayu.com/

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