コラムニスト

松田真由|心を整え、人生に意味を見出す専門家
自己理解カウンセラー/ディマティーニ・メソッド公認ファシリテーター
「また子どもに怒鳴ってしまった…」
「仕事が忙しくて、話を聞いてあげられなかった」
「私は母親に向いてないんじゃないかも…」
──そんな風に思い出しては、胸が締めつけられることはありませんか?
「子どもは愛しているのに、母親であることを後悔してしまう」
そんな気持ちを誰にも言えずに抱えている方は少なくありません。
実際、NHKが行った全国調査では、母親6528人のうち 約3人に1人(32%)が『母親にならなければよかった』と思ったことがある と回答しました。その理由の最多は「良い母親になれないと思ったから」でした。
そして、そのうちの 96%は子どもへの愛情を持っている と答えているのです。
多くの母親は子どもを愛しているのに、それでも「理想の母親とのギャップ」に苦しんでしまうのです。
(引用元:NHK「“母親にならなければよかった”?女性たちの葛藤」)
私自身も、“自分が母親になると決めたことだから”と、誰にも心の内を打ち明けられず、理想の母親として接することができない自分を責めることが多かったです。
でも実は、その「母親にならなければよかった」と思う後悔の正体は、
過去の出来事に対する 「認識の偏り」 から生まれているのです。
今回のコラムでは、松田自身の体験を交えながら、
後悔や罪悪感と向き合い心が軽くなっていく方法についてお伝えします。
なぜ私たちは後悔をしてしまうのか?
私たちはなぜ、こんなにも後悔をしてしまうのでしょうか。
とくに責任感の強い方ほど、
「あのとき、もっと違う対応ができたはず」と、繰り返し自分を責めてしまいがちです。
実は、後悔や罪悪感が生まれるメカニズムには、
私たちの「認識」が深く関わっています。
後悔とは、自分やほかの人に対して
「プラスよりもマイナス」
「恩恵よりも不利益」を生む結果になった
という認識からくる一方的な解釈によって生まれます。
つまり、もしもそのときに反対のことをしていたら、自分の人生やほかの人の人生はより良くなっていただろうという思い込みが後悔という感情を作り出しているのです。
たとえば──
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イライラして子どもに怒った
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仕事が忙しく、子どもと遊ばなかった
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疲れていたので子どもの話を聞かなかった
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部屋の片付けができるように教えなかった
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仕事を優先して子どもと遅い時間にご飯を食べた
こうした行動に対して、私たちは「相手に悪いことをした」「デメリットを与えてしまった」という側面だけを無意識に認識してしまいます。
しかし実際には、出来事には必ず メリットとデメリット、光と影の両面 が同じだけ存在しています。
けれど、ネガティブな一面しか見えていない状態では、心はバランスを崩し、後悔として感じることになるのです。
後悔の正体は「認識の偏り」|ディマティーニ・メソッドという“問い”
人間行動学の世界的権威であるDr.ジョン・ディマティーニによると、私たちが抱える後悔は“事実”ではなく、出来事の片側だけに焦点を当ててしまった認識の偏りから生じています。
Dr.ディマティーニが46年以上にわたり研究・開発し続けている「Demartini Method®(ディマティーニ・メソッド)」は、この偏りを「問い」によって整え、出来事をニュートラルに捉え直すためのアプローチです。
このプロセスを通じて、心の中で大きく膨らんでいた後悔は次第に消えていき、
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行動の裏側にあった恩恵に気づける
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自分を責める気持ちが感謝に変わる
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自分の選択や決断に自信が持てるようになる
といった変化が訪れます。
ディマティーニ・メソッドについて詳しく知りたい方は、やる気研究所の公式サイトをご覧ください。
後悔から得られた気づき──私の体験談
これは私自身がディマティーニ・メソッドによって後悔と罪悪感を解消した体験になります。
子どもに怒鳴ってしまったあの日
後悔をしていた瞬間は10年以上前のある日。
当時、管理職として仕事をしていた私は、プレッシャーによる強いストレスを抱えていました。帰りも遅くなり、急いで夕食を準備してやっと一息ついて座ったとき、中学一年生の娘が楽しそうにその日の出来事を話し始めました。
けれど、私の頭の中は仕事のことでいっぱい。半分うわの空で返事をしていると、今度は目の前に座る小学生の息子が「あのね〜」と笑顔で話しかけてきました。
二人とも譲らずに話しかけてくる中で、私はついに限界を迎え、あとから話し始めた息子に向かって 「静かにして!」 と怒鳴ってしまったのです。
部屋がシーンと静まり返った瞬間、ハッと我に返りました。
息子はしばらく黙ったあと、小さな声で「…もういい」とつぶやきました。
その光景は私の胸に深く残り、「申し訳なかった」という罪悪感と後悔の気持ちを長い間抱え続けていました。
もしもあのとき、息子に怒鳴らなければ、息子は今もよく話をしたはずだとずっと心に引っかかっていたのです。
見えていなかった“もう一つの側面”

ディマティーニ・メソッドに出会うまでは、「私は息子を傷つけた」という一方的な思い込みしかありませんでした。
けれど、出来事のもう一つの側面を見つめていく中で、驚くような気づきが見えてきたのです。
怒鳴ったことで息子に与えたメリット:
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姉弟ゲンカをせずに済んだ
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状況を把握して話すことができるようになった→コミュニケーションが上手になった
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(私が悪いことをしたと思い、口出しを控えたことで)、息子は気兼ねなく大好きなゲームができるようになった→友達との関係が深くなった
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私が息子の話をよく聞くようになり、息子の意見や決断を尊重するようになった
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より親子関係が良好になった
ほかにもたくさんのメリットが見えました。
一見すると悪いことだったと思っていた出来事には、じつは息子に同じだけのメリットももたらしていたのです。
「あのとき、怒鳴ってよかった」
私は自分自身に対して愛と感謝を感じました。
最大の気づき:「息子が私を助けてくれた」ということ
そして何より大きな気づきは、あの瞬間に怒鳴ったことで、
私自身が溜め込んでいたストレスを解放できたことでした。
仕事のことばかり頭の中でぐるぐる考えていた私は、怒鳴ることで冷静さを取り戻し、その後は子どもたちに意識を向けることができたのです。
「息子が話しかけてくれたから、私は感情を表に出せてたんだ。息子は私を助けてくれてたんだ」
そう気づいたとき、あふれてきたのは、
息子への愛と感謝の気持ちでした。
この気づきに至ったとき、私は涙が止まりませんでした。
ディマティーニ・メソッドを受ける前は罪悪感で胸が重くてつらかった記憶が、すべてが必要だったのだと感謝に変わりました。
今日からできる実践ステップ

頭の中でなんとなく理解ができても、心の中ではなかなか消えてくれないものです。
そんなときに役立つのが、紙に書き出して「出来事を違う角度から見る」こと。
以下の3つのステップで、後悔を手放すプロセスを体験してみてください。
ステップ1: 後悔している行動を書き出す
後悔している行動を一つ書き出してください。
(例:泣いている子どもに強く怒鳴った
朝、起きなかったことで子供の服を選ばなかった)
ステップ2: その行動がもたらしたプラスを書く
その行動から得られたポジティブなことや恩恵を書いてください。
最初は見つからなくても大丈夫です。じっくり考えてみてください。
(目安は10個以上です)
(例:自分の感情をコントロールしたいと思い、心理学を学ぶようになった
子どもは自分の身支度を自分でできるようになった。私は朝起きるために早く寝るようになった)
ステップ3: その行動をとらなかった場合のマイナスを書く
後悔している行動をとらなかったとすると、そのときに生じたかもしれないネガティブなこと、困ったことを書いてください。
(目安は10個以上です)
(例:泣いている子どもに強く怒鳴らなかったら、私はイライラを夫にぶつけ、夫婦関係は悪化していたかもしれない。
朝、子供の服を選んでいたら、子どもの自立は遅れていたかもしれない。仕事も忙しかったから、しなければいけないことばかりでストレスをいっぱい抱えていた)
まとめ: 後悔は“認識の偏り”から生まれる感情
後悔は、自分がしたことやしなかったことに対して、良くない結果になったという認識の偏りから生まれます。
ですが、出来事には必ず メリットとデメリット、光と影の両面 が同じだけ存在しています。
出来事の本質が見えてくると、心は少しずつ軽くなっていきます。
そして何より大切なのは――
真実は、あなたが何をしたか、何をしなかったかに関係なく、あなたは愛し、愛される価値のある存在だということです。
後悔を手放すことは、自分の気持ちに嘘をついたりごまかすことではなく、ありのままの自分を受け入れる第一歩です。
どうかそのことを忘れずに、あなた自身の気づきとともに、少しずつ心をやわらげてあげてくださいね。
一人で抱え込まなくて大丈夫です
子育ての後悔や「母親としてこれでいいのかな」という不安は、多くの方が感じています。
でも、それを誰にも言えずに一人で抱え込むと、ますます苦しくなってしまいます。
もし「ディマティーニ・メソッドに興味がある」という方には、心理カウンセラーによる 無料個別相談(30分) を公式LINEからお申し込みいただけます。
その際は、お問い合わせメッセージに 「担当講師:松田」 とご記入くださいね。
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松田真由|心を整え、人生に意味を見出す専門家
自己理解カウンセラー/ディマティーニ・メソッド公認ファシリテーター
幼い頃から相手の気持ちに敏感で、自分自身の感情や欲求がわからない—— そんなHSP気質ゆえの生きづらさを長年抱えてきました。自己理解と人間関係の葛藤に悩みながら「自分はなぜ生きているのか?」という問いを探求する中で、 ディマティーニ・メソッドと出会い、人生に確かな意味と手応えを感じられるように。 現在は心理カウンセラー/ディマティーニ・メソッドファシリテーターとして、自己理解を深めたい方や、 職場・家庭での人間関係に悩む方を対象に、問題の本質にアプローチしながら「自分らしく生きる力」を引き出すサポートを行っています。 心の仕組みを丁寧にひも解きながら、変化を恐れずに前進したい方に寄り添います。
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