緊急に追われて一日が終わる人へ|重要性で決める「自分へのアポイント」 LIFE MANDALA

緊急対応に追われて一日が終わる人へ|重要性で決める「自分へのアポイント」と人との調整

朝、仕事のデスクに向かう前からチャットが鳴る。判断を求められ、打ち返し、また次が来る。

気づけば夕方で、「今日一日意図を持って過ごせた」とは言えず、追われたり流されている感覚が強い。

そんな日々では、「本当は、もっと長期的なことを考えて、今の選択をしたい。」と思いませんか?

今回は、半年後にどうなっていたいか、どういう形に変えていきたいか。それを考える時間こそが大事だとわかっているのに、その時間だけがいつまでも空かない方へのコラムです。

多くの場合、原因は時間が足りないことではありません。予定を決める主導権が、自分の外にあることです。降ってくる依頼と、目の前の緊急対応が、カレンダーを先に埋めていく。残った隙間に、自分の大事なことを入れようとするけれど、その隙間がなくなる・・・・その順番である限り、隙間は空きません。

順番を逆にしていきましょう。重要性を自分で決めて、その重要性に合わせて自分にアポイントを取る。この記事では、その考え方と、実際にどう動かすかを順に見ていきます。

この記事でわかること

✅ 予定が人の都合で埋まってしまう、その構造
✅ 重要性を緊急度ではなく目標から決める方法
✅ 抱えすぎた仕事を「状態」と「期限」で手放す手順

予定は「重要なこと」から先に入れる

空いた時間に入れようとすると、空きません。これは意志の問題ではなく、順番の問題です。

人との約束は守られます。相手がいて、日時が決まっていて、動かすには連絡が要るからです。一方、自分で決める時間は相手がいません。だから、何か起きたときにいちばん先に削られます。削っても誰にも謝らなくていいからです。

であれば、自分との約束にも相手がいる予定と同じ重みを持たせる。これを出発点にしてみませんか。

自分にアポイントを取るとは、どういうことか

自分へのアポイントとは、重要だと決めたことのために、人との約束と同じ重みで自分の時間をあらかじめ押さえておくことです。

ただの「やることリスト」との違いは、動かせるかどうかにあります。リストは、忙しければ明日に送れます。アポイントは、動かすなら別の日時に置き直すしかありません。消えるのではなく、移る。この差が長期的に効いてます。

具体的には、人との予定と同じように三つを決めます。日時、場所、そして何をするかを具体的にします。

例えば、「考える時間」ではなく「来期の体制案を提案資料にして完成させる」まで決めておくと、その時間が来たときに何をどこまでやるのか迷いません。また、この時点で、そのアポイント時に必要な事前準備も自ずと見えてきます。

緊急度だけではなく、重要性で決める

タイムマネジメントとは、限られた時間をどこに配分するかを自分で決め、実行していくことです。配分を決める基準をどこに置くかで、結果は大きく変わります。

緊急度だけを基準にすると、基準は外から来ます。早い順、外部の声の大きい順に処理することになり、一日の形は毎日その日の出来事で決まります。しかし、重要性を基準にすると、基準は内側にあります。自分が何を大事にしているか、つまり価値観や長期的な目標から決まります。

緊急度で決める

基準が外にある。早い順に対応する。現状のタスクの処理量は最大化するが、長期的に積み上がるような成果や、大きな革新的な方向性の変化が得られにくい。

重要性で決める

基準が内(自分)にある。自分の価値観や長期目標から順番を決める。見える成果は短期的に確認しにくいけれど、長期的に根本的な違いを作ることができる。

自分の価値観がまだ言葉になっていない場合は、人生の曼荼羅®(LIFE MANDALAが開発した、価値観を中心に人生全体を八つの領域で見渡すフレームワーク)のように、領域ごとに書き出して眺める方法があります。何に時間を使っているかと、何を大事だと言っているかを並べると、ずれている場所が見えてきます。また、目標が明確ではない場合には、SMARTゴール設定の手法に倣って、具体化させてみましょう。

こうして自分の価値観を軸に思考・感情・行動を整え、人生を主体的に設計し続ける力を、LIFE MANDALAではセルフマスタリーと呼んでいます。時間の使い方は、その力がいちばん目に見える形で現れる場所です。

目標に合わせて、関係者の予定を先に押さえる

職場や子育ての現場では、とにかく「時間がない」ですよね。

「余裕ができてから」と言っていては、いつまでたっても先送りになります。しかし、お互いの問題認識を合わせ、完了の目標期日が決まると逆算が始まり、それまでに行うべきことが、自然に決まっていきます。

以下は、関係する人と自分で目標を定め、スモールプロジェクトの立ち上げていく際の、アポイントの入れ方のコツです。

1いちばん重要なことと課題を一つだけ選ぶ

この三ヶ月で前に進めたいことを一つに絞って「プロジェクト」にする候補にしてみましょう。

2人のスケジュールも同時に押さえる

相手があるものは調整が必要になります。職場や家庭では、相談したい相手ほど予定が埋まっていたり、忙しいものです。中身が固まっていなくても構いません。「この件で相談したい、意見を聞きたい」と伝えて、先に時間の枠を取っていきましょう。コツはいきなり長時間にしないこと。まずは課題や問題認識を合わせて、取り組む重要性と価値に共通認識を持つための時間を作りましょう。

3人とのアポイントの日までの準備時間を、自分に対して予約する

相手との予定だけ入れても、準備の時間がなければ、相手は大切な時間を有効に使えたとは思わないでしょう。そのために、事前のリサーチや、話の内容を整理しておくなど、準備をしておきます。「相談前に準備しておいた方がいい内容」を相手に聞くのもいいでしょう。いつ話せるか、どんな材料があれば話しやすいかを聞いておけば、そこから準備の内容とスケジュールを逆算できます。

4プロジェクト化する際には「定例」にして、徐々に減らす

課題や問題認識を合わせて、取り組む重要性と価値に共通認識を持てたら、いつまでに、どのように取り組んで、どこまで目指すか?を設定していきます。この対話も一気に行うのではなく、30分から1時間以内のサイズにします。まずは、毎週など、進捗の確認や課題の共有を含めて、定期的な対話の時間を持つことを目指しましょう。慣れてきたら隔週、月一と間隔を広げても構いません。最初から内容が完璧になることを狙うより、定期的に取り組みを評価できる、仕組みづくりを意識しましょう。

「気持ち」に引っ張られず「意志がいらない状態」を目指す

時間を空けるには、今詰め込んでいるスケジュールから何かを減らすしかありません。けれど、相手がいると断れなかったり、「手放そう」と自分の意志で思うだけでは手放せないものです。気持ちの上で手放しても、通知が来たり依頼されれば、これまでの慣れでついつい動いてしまうものです。

そんな時、決めるのは二つです。

どういう状態になったら手放したと言えるのかと、いつまでにそうなっているのか。

例えば、手放せた状態を「関わらない」と言ってしまうと、場合によっては声がかかり、断るのに自分の意志が必要です。「そのやりとりが目に入らない状態」まで言葉にすると、自分の意志に頼らない状態をつくることができ、そのためにやるべきことがはっきりします。

例えば、「〜までに」と期限を決め、関係者がいるチャットのチャンネルから抜ける、担当名から自分の名前を外す、通知を切るなど、中途半端に見える場所に自分を置かないことが、いちばん確実です。

「気持ち」を手放そうとせず
「意志が必要ない状態」を作りましょう。

関係者に時間軸と合わせて予告する

自分の中で決めただけで動くと、周囲は混乱したり、動揺するかもしれません。周りの人にも「〜までに」という時間軸を渡しつつ、これから起きることを「予告」します。

やり方は、新商品のCMと同じです。「〜から発売」と予告し、起きることをカウントダウンする。「来月から外れます」と先に伝え、それまでに引き継ぐことは、日常的にやっている方も多いはずです。それを自分発信でやっていくということです。事前に告知すれば、相手も、心の準備をする階段ができます。

不安が強そうな相手には、段階を長めに取ったり、個別にフォローを入れたりします。出口は同じでも、配慮があることは伝わります。このアプローチは、やることややり方(What・How)、期限(When)は変わっても、到達する目標を変えないとも言えます。

戻ってきたものを、戻さない

一度手放した仕事や役割が戻ってくると言うのは、距離が近しい間柄ほど置きがちです。でも、ここであなたが引き受けてしまうと、元に戻ります。ポイントは、相手の責任まで引き受けないことです。

あなたが「自分の責任を手放さない」状態は、相手が手離れしない最も大きな要因となり得ます。

そして、責任を持つことは相手にとっても悪い話ではありません。人は、言われたことがうまくいったときより、自分で決めたことがうまくいったほうが自信や手応えになっていきます。仕事や依頼を引き継いだつもりで、自分に戻ってくるという人は、よかれと思って、相手の責任に自分が手や口を出しすぎている可能性があります。

職場では「まだ新人さんだから」と思っている相手も、一年いればその人なりに学んでいます。こちらが貼っている「新人」ラベルを、自分が先に剥がしてみる。責任の取り方は、責任をその人が取ってみることでしか身につきません。サポートやフォローをしないのではなく、その人が責任あることを完遂できるようにサポートやフォローします。

まとめ

一日が緊急で埋まるのは、時間が足りないからではなく、予定を決める順番が外から内に向いているからです。順番を内から外に向け直すのが、ここで言うタイムマネジメントです。

重要性を価値観から決める。その重要性に合わせて、自分にアポイントを取る。先に押さえれば、優先順位のほうが入れ替わっていきます。空けた時間を守るために、抱えているものは状態と期限で手放し、その時間軸を関係者に渡す。

まずは一つだけでかまいません。この三ヶ月で前に進めたいことを選んで、来週のどこかに、自分との約束をひとつ入れてみてください。

よくある質問

Q. タイムマネジメントとは何ですか?

タイムマネジメントとは、限られた時間をどこに配分するかを自分で決め、実行していくことです。LIFE MANDALAでは、その配分を緊急度ではなく自分の価値観や目標から決める方法をお伝えしています。

Q. 自分へのアポイントは、ただの予定と何が違いますか?

違いは、動かし方です。やることリストは忙しければ消えますが、アポイントは動かすなら別の日時に置き直すことになります。消えるのではなく移す、という扱いが続きやすさを生みます。

Q. 緊急の仕事が多く、先に予定を入れる余裕がありません。

余裕ができてから入れるのではなく、入れてから余裕をつくる順番です。期日が決まると逆算が始まり、それまでに手放すべきものや任せるものが決まっていきます。

Q. 任せたいのに、結局自分でやってしまいます。

中途半端に見える状態だと、気づいたときに手が出ます。関与しない状態がどういう状態かを先に決めておくと、手を出す余地そのものが減ります。

Q. 手放したものが戻ってきてしまいます。

戻す先を決めていないと戻ってきます。手が足りないときはその場で優先順位を決め直す、と先に伝えておくと、判断の場所がその中に残ります。


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コラムニスト

北原万紀

北原万紀(LIFE MANDALA代表)

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