「子どもがいるから、これ以上は無理」——そう決めつけて、収入アップへの一手を最初から封じていませんか?
毎日の子どもの送り迎えに費やす時間は3時間以上。5年間の育児ブランクを経て復帰し、「この時間は動かせない」という前提の中で10年以上働き続けた女性がいます。スペイン語通訳・翻訳家の林絵美さんです。
絵美さんは、メキシコ州政府最高裁判所認定の公認翻訳士として、日系企業の経営管理・法務・移民局対応を専門に活動しています。ご自身のお仕事以外に、男の子2人の子育ても担い、送り迎えだけで1日のかなりの時間を割く生活。それでも、ある月の月収は復帰当初と比べて11倍という数字を経験しています。
何が変わったのか。どこを変えたのか。
今回は、絵美さんの人生の秩序、LIFE MANDALA(ライフマンダラ)を見ていきます。
本編はYouTubeでライブ映像のアーカイブを視聴いただけます。↓↓
「遠慮」という見えない鎖——6〜7年間、その選択肢がなかった理由
課題:「満足に働けない立場」という思い込みが、収入の天井をつくる
育児ブランク明けで職場復帰した時、絵美さんの履歴書に書けることは、「年齢しかなかった」と言います。子どもの送り迎えがある。急な呼び出しにも対応しなければならない。会社に融通を利かせてもらっている立場として、提示される報酬を「ありがとうございます」と受け取ることが当然でした。報酬を交渉するという概念が、最初から存在していなかったのです。その遠慮は、6〜7年続きました。
絵美さんの決断:自分の内側を棚おろしすることから始める
LIFE MANDALAの学びを通じて、自己価値の再認識と、他者から無意識に植えつけられてきた価値観への気づきを得ていった中で、絵美さんの中で何かが変わり始めます。「日本人女性だし、つましく」という根拠のない遠慮に気づき、自分が持っているものを改めて見ようとしたのです。自己価値の棚おろしを通じて、「交渉できるかもしれない」という感覚が、外から降ってきたのではなく、内側から湧き始めました。
解決策:収入の天井は「事実」ではなく「思い込み」でできている
働き方に制約があっても、提供できる価値が高ければ交渉の余地は生まれます。遠慮を手放す最初の一歩は、外の条件を変えようとすることではありません。「自分が持っているものを正直に見る」——ただそれだけから始まります。

10年で積み上がっていた「資産」に、ようやく気がついた
課題:スキルは持っていても、「価値」として認識していない
公認翻訳士の資格、法務・労務領域の専門知識、10年以上にわたり複数の企業や法律事務所と築いてきた人的ネットワーク。絵美さんはこれらを「持っていた」のに、交渉材料として前に出していませんでした。あえて強調することをしてこなかったのです。
絵美さんの決断:人生のマンダラで、スキルと人的資産の全体像を把握する
人生の曼荼羅のワークを通じて学び・スキルの領域と人的資産の領域を整理した時、絵美さんは気づきます。複数の企業に関わってきたからこそ、「組織が共通してどこで困るか」が見えていること。法的コンプライアンス、労務問題、外部に発展しかけているトラブル——その解決策が、自分の中に確かに蓄積されていることに。
解決策:「何ができるか」ではなく「相手の何を解決できるか」が交渉材料になる
資産の棚おろしで重要なのは、スキルの羅列ではありません。「相手がどこで困っていて、自分はそれを解決できるか」という視点で資産を見直した時、初めて交渉の根拠が生まれます。

等価交換という哲学——交渉は「戦い」ではなく「誠実なコミュニケーション」
課題:報酬交渉=ゴリゴリと要求することだという誤解
交渉という言葉に、「相手を説得して勝ち取る」というイメージを持つ人は多いでしょう。特に日本人女性にとって、それは自分には馴染まない行為に映ることがある。「声をあげてもいいのだろうか」という躊躇が、本来できたはずの選択肢を最初から消してしまいます。
絵美さんの決断:相手が得るものを先に考える
絵美さんが報酬交渉を貫けた理由の核心は「等価交換」という視点でした。自分の要求を一方的に伝えるのではなく、相手が得るものを同時に考える。「相手の方が何を得るか、そこはとても大事だなと思っています」——この視点が、絵美さんの交渉のベースにありました。
解決策:フェアに提示することが、相手への敬意でもある
「自分の状況が苦しいから報酬を上げてほしい」という訴えは、相手には不平不満の一種に映りがちです。一方で、相手のニーズを起点にした提示は、ソリューションとして受け取られます。報酬交渉が成立する場所は、力関係ではなく、お互いにとっての誠実な等価交換の上にあります。

動かせないものを守りながら、動かせるものだけを変える
課題:変えられない条件が「諦め」の理由になる
子どもの送り迎えは動かせない。夫との役割分担も変えられない。この制約の中では、収入を増やすことは難しい——そう結論を出してしまう前に、もう一つ問いが必要です。「本当に、変えられるものは何もないのか?」
絵美さんの決断:単価を変えることで、時間の価値そのものを変える
絵美さんは、変えられないものと変えられるものを丁寧に分けました。子どもが行きたい学校を選ぶことを尊重する。毎日の送り迎えは続ける。それらは変えない。であれば、動かせるのは「単価」しかない——その論理的なシンプルさが、報酬交渉を必然の手段にしました。気がついたら、ある月の月収が11倍になっていた。それはドラマチックな一発逆転ではなく、諦めなかった選択が積み重なった結果でした。
解決策:「諦めない」は根性論ではなく、構造の問題
変えられないものを認めながら、変えられるものを探し続ける——この構造的な思考が、絵美さんを動かし続けました。

あなたの人生の秩序「ライフマンダラ」で生きるために
絵美さんとのYouTubeのストーリーの中では、もう一人の女性の話が登場しました。アパレル業界に勤め、昇進を望みながら「子どもがいる自分には無理だ」と長い間思い込んでいた女性。しかし彼女は、「子どもがいるワーキングママの自分だからこそ、会社にどう役立てるか?」という問いに向き合います。その答えが見えた時、前提が書き変わりました。1週間後、上司から短時間勤務のまま昇進の打診がありました。
共通しているのは、「外の条件を変えようとした」のではなく、「自分の内側の前提が変わった」ことです。
絵美さんはライブの最後に、こう語りました。
「子どもの手を離さなくても、私はできました」

この言葉が意味するのは、「それが可能だ」という事実だけではありません。「あなたにも、その選択肢がある」という許可です。
人生の曼荼羅は、何を変えて、何を変えないかを整理するためのツールにもなります。変えられないものを守るからこそ、変えられるものが明確になる。その秩序を自分で描いていくことが、セルフマスタリーの始まりです。
今、諦めていることがあるなら、一度だけ問い直してみてください。
「変えられない」と思っていたものの中に、本当はまだ、変えられるものが隠れていませんか?

