コラムニスト
松田真由|心を整え、人生に意味を見出す専門家
自己理解カウンセラー/ディマティーニ・メソッド公認ファシリテーター
新しい年が始まり、「今年こそは」と目標を立ててみたものの、なぜか気持ちが重たい。手帳に書いた目標を見返すたびに、ワクワクよりも「やらなきゃ」「ちゃんと続けなきゃ」というプレッシャーを感じてしまう。そんなモヤモヤを感じてはいませんか。
もしそんな重さを感じているとしたら、それはあなたが怠けているからでも、意志が弱いからでもありません。この記事では、本音に気づくための問いかけと、その本音から見つけた「やりたい」を無理なく習慣にしていくための、私自身の体験を通した具体的な方法をお伝えします。

なぜ、新年の目標は続かないのか?

新年の目標が続かないとき、多くの人は「私の意志が弱いのかな」「頑張りが足りないのかな」と、自分のやる気やメンタルに問題があるのだと捉える方も少なくありません。
ちゃんと考えて決めたはずなのに、なぜか気持ちがついてこない。もしそんな違和感を感じているとしたら、実はそこには「本音とのズレ」が隠れているのかもしれません。
続かなかったウォーキングから見えた「本音とのズレ」
私も以前はそうでした。「よし、今年こそは絶対に体力をつけるぞ!」と強く意気込んで、健康にいいとされる「ウォーキング」を始めたのです。
でも、いざ始めてみると、真夏の暑さ、真冬の寒さを「やらない理由」にして続けることができませんでした。
なぜかというと、真夏の暑さや真冬の寒さの中でもウォーキングをする理由を、自分の中で見いだせていなかったからです。
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ウォーキングは体にいいらしい
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運動ができる自分でいたい
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健康にいいことをしていると実感したい
そういった「何となく」の動機だと、目標に向けて行動する際のつらいことは「やらない理由探し」のきっかけにつながってしまいます。どんなことにもポジティブな側面とネガティブな側面が同じだけあります。目標を達成したあとのポジティブな側面しか見ていないと、面倒なこと、大変なことに直面した時に辞めたくなってしまうのです。
そうとは気づかず、「やらなきゃ」といつの間にか義務感で続けても、結局はやらなくなってしまったりします。
行動が続かない要因に気づく「問いかけ」の力
行動が続かなかった理由を振り返る中で、私はある問いを自分に向けてみました。
「なぜ、これをやりたいんだろう」 「何のために、これをしようと思ったんだろう」
そう問いかけてみると、私の中には「運動不足を解消したい」「健康を維持したい」「体力を上げたい」という思いがあったことに気づきました。
つまり、「健康を維持する」「体力を上げる」ことが目的であり、ウォーキングはそれを達成するための手段だったのです。目的が分かれば、手段は変えることができます。そう考えたとき、ほかに方法はないだろうか?と考えることができたのです。
感情を「今ここ」のガイドにする
「なぜ、やりたいんだろう?」という問いから、どんな感情が動くのかを、まずはただ感じてみてください。
不安、ワクワク、おそれ、あるいは「何となくやっておいた方がいい気がする」という焦り。どんな思いが浮かんでも、そこに良い悪いはありません。
目標を追い求めるあまり「今ここ」の自分を否定してしまったり、意識が未来の成果ばかりに飛んでしまうのは、とても苦しいことです。
目標は、自分をジャッジするための物差しではありません。「今この瞬間、私はどちらの方向に進みたいのか」を教えてくれるコンパスのようなものです。思考ではなく、湧いてくる感情にただ気づいてあげる。それが、自分を苦しめない目標づくりの第一歩になります。
「やりたい」を習慣にするための「自分に優しい設定」

本音に気づき、今の自分に合った「やりたいこと」が見つかったら、次はそれを頑張らずに続けられる形に整えてあげましょう。
私が次に選んだのはフィットネスバイクでした。「これなら天候に左右されず、家の中でいつでもできる」と思ったのです。
ところが、これもやはり続きませんでした。理由は2つ。
1つは、頑張りすぎて「しんどい」という感覚ばかりが残ってしまったこと。誰でも最初はやる気があり、つい頑張ってしまうものです。私も最初は「30分はこがなくては」と考え、20分こぎ続けて想像以上に疲れてしまいました。その結果、脳に「フィットネスバイク=しんどいこと」と刷り込んでしまったのです。
けれど、たった一回ではなく、目標に向けて続けるつもりであれば、マラソンのように自分のペースを大切にする必要があります。どれくらいなら心地いいか、「これでいい」というハードルをどれだけ下げられるかが大切だと、この経験から学びました。
もう1つの理由は、一日の終わりの「夜」にやろうとしていたこと。夜はほかにやりたいこともあり、バイクの優先順位が自然と下がってしまったのです。 そこで私は、自分にがっかりするのをやめて、今の自分の特性に合わせた「設定」に変えてみました。
意志の力に頼らない「if-thenルール」
行動を無理なく続けるための考え方に、「if-thenルール」というものがあります。これは、「もし〇〇したら、△△をする」というように、すでにやっている行動に、次の行動をひもづける方法です。意志の力に頼らず、流れの中で自然に動けるようになるため、習慣化しやすいと言われています(※)。
私の場合は、「毎朝しているヨガを終えたら、10〜15分フィットネスバイクをこぐ」という流れを作りました。
すでに自分にとっての「心地よい習慣」になっていたヨガのあとに組み込み、ちょっと負荷がかかる程度で終わらせることで、無理なくバイクをこぐことができるようになりました。あんなに続けられなかったのがウソのように、「心地よい流れに身を任せていたら、いつの間にか続けられた」。そんな感覚でした。
※参考:マイナビニュース「if-thenルールとは? 具体例8つとメリット3つをくわしく解説」 https://news.mynavi.jp/article/20200908-1257427/
最初の一歩を小さく分ける「細分化」
さらに慣れるまでは、やることをごく小さな動作にまで分けて考えます。
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まずはバイクに座る
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見たいYouTube動画を再生する
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ゆっくりペダルを踏み始める
気合を入れて「30分頑張ろう」と思うと身構えますが、「とりあえず乗ってみよう」ならハードルはぐっと下がります。不思議なもので、一度乗ってしまえば、そのまま自然とペダルをこぎ始めているものです。
「夜は疲れて面倒になるから、元気な朝の時間にする」「まずは10分できればOKにする」。こうした自分に優しい工夫を重ねることで、「どうせ私は続けられない」という思い込みが、少しずつほどけていきました。
まとめ| 自分らしく進む一年を作るために
1. 「なぜ?」「何のため?」と本音を大切にする
外側の「正解」ではなく、自分の内側にある「目的」に立ち返る
2. 日常の流れにそっとつなげる(if-thenルール)
すでにしている習慣のあとに、新しい行動をつなげる(歯磨きのあと、お風呂から出たあと、など)
3. やるべきことを「細分化」する
最初の一歩を小さく分けて、ハードルを下げる
4. 意志の力ではなく「仕組み」で自分を助ける
気合いで動かそうとせず、無理なく動ける設定に調整する。また、ときにはお休みを設けるのも手です。無理をしないからこそ、「今日はしない分、明日しよう」と軽やかに思えるのです
そして最も大切なのは、「今ここの自分」がどれだけ満たされているか、ということ。
未来の目標に向かって自分を追い立てるのではなく、今この瞬間の自分を認め、大切にしながら進んでいく。目標に向かうプロセスそのものを楽しみながら一歩一歩進んでいくことで、きっと日々が充実したものになっていくはずです。
「今年こそは」と力を入れすぎなくても大丈夫です。まずは、自分に優しい問いを向けるところから始めてみてください。
小さな気づきから、自然な行動へ。そして行動が積み重なることで、気づけば自分の中の納得感とともに日々を重ねている。そんな、今この瞬間を大切にする一年になっていくはずです。
松田真由|心を整え、人生に意味を見出す専門家
自己理解カウンセラー/ディマティーニ・メソッド公認ファシリテーター
幼い頃から相手の気持ちに敏感で、自分自身の感情や欲求がわからない—— そんなHSP気質ゆえの生きづらさを長年抱えてきました。自己理解と人間関係の葛藤に悩みながら「自分はなぜ生きているのか?」という問いを探求する中で、 ディマティーニ・メソッドと出会い、人生に確かな意味と手応えを感じられるように。 現在は心理カウンセラー/ディマティーニ・メソッドファシリテーターとして、自己理解を深めたい方や、 職場・家庭での人間関係に悩む方を対象に、問題の本質にアプローチしながら「自分らしく生きる力」を引き出すサポートを行っています。 心の仕組みを丁寧にひも解きながら、変化を恐れずに前進したい方に寄り添います。
公式ウェブサイト:
https://counseling-room-mayu.com/

